危機状況に対する心のケアのための救急処置

突然のビル崩壊、現場に居合わせた方、同僚が巻き込まれた方、ご主人が会社の建て直しに奔走されている方、これまでの平穏な日々とは予期せぬ状況になっていると思います。お子さんが不安になっている場合もあるでしょう。しばらくは、物理的な建て直しで奔走するお父様方だと思いますが、1−2週間で疲労がピークを迎えます。PTSDと呼ばれる症状を予防するために、現在、みなさんの心と体に何が生じているのか及び、応急処置の方法を記しますので、ご家族に対応してあげてください。

Crisis:危機状況とは何ですか?
突然の事故・災害・事件に遭遇するなど、通常の自分の反応を変化させなくては対応できない時に、心に強い力がかかり、「危機」が生じます。

●心や体にどんな事が生じるのでしょうか?
危機の間には、身体が影響を受け、様々な反応を示しますが、これらは、害があるとは限らず、急激な変化に自分が適応しようとしているのです。

反応は以下の様に分類できます。
1. 身体的反応:胃腸障害、鼓動が早くなる、頭痛、胸が痛むなど
2. 不安症候群:心配、恐れ、集中力の低下、パニック
3. 落胆症候群:無気力、悲嘆、退行、睡眠の不安定、食欲の変化、涙ぐみやすくなる
4. 行動的反応:怒り、短気、仕事ができないなど

これらの症状は、災害時には当たり前の反応なのですから、落ち着いて、自分自身のコントロール感を取り戻してください。

●私が感じている事を人は感じていない。これは、私が人より弱かったり、対応能力が欠けているという事なのでしょうか?
人間の反応は様々で、外部的な反応がたとえ同じでも、心の反応が同じとは限りません。どのような症状も、状況に対処しようとする現れなので、自分の回復力に自信を持ってください。ゆっくりと深呼吸をして、「大丈夫。コントロールできる」と自分に語りかけましょう。

●どうしたら自分に起こっている事にうまく対処して行けるのでしょうか?
1. この危機状況下では、あなたの反応は「ふつう」の事だと気付く事がまず大切で、あなたが感じている事を人も又感じているのですから。。。
2. 友人、家族に自分が抱えている様々な感情、考えを話し、援助を求め、希望を持つようにしてください。
3. 日課を作り、それを守って行きましょう。
4. 簡単な呼吸運動、深呼吸を練習する事で、身体的なリラックスができます。毎日、 一定の時間、深呼吸をしながら過去の楽しかった思い出(旅行、海水浴など)を思い浮かべてみてください。
5. 「これで終わりだ」「破滅だ」などと考えない事。事態が悪く、不幸で、好ましくないと実際になってしまうのは、自分自身がそう思い込んだ時のみです。物事を別の視点からながめて見てください。コップは「もう半分もいっぱいになっている」のか「まだ半分空のまま」なのか、見方によって違います。この事態が問題なのではなく、あなたがどう見るかが大切なのではないでしょうか。
6. あなた自身及び、周囲の人々の対処の仕方両方を受け入れるようにしてみてください。家族や友人が自分にあった対処の仕方を選ぶのを許してあげましょう。人のプライバシーも大切にし、個々の対処機能を尊重すると、自分が楽になります。
7. できるだけ今まで通りに飲食、睡眠をとってください。
8. 事務所の移転、家の引越しなど何かを決意、決定する時には信頼できる情報を用いてください。うわさや信憑性のない情報にまどわされないようにしてください。

●この状況が終わったら私はどうなるのだろう?
ほとんどの場合、あなたの心理的な機能は今まで通りに戻ります。しかし、いくつかの症状、例えば事件が頭を過る、息が苦しくなる、急に恐くなる、悪夢、等は現れるかもしれません。これらは、PTSDと呼ばれ、事件後、1ー6ヶ月の間に生じます。これらの症状は自然と消えて行きますが、もし1ヶ月以上続くなら、早めに専門機関に相談してみてください。

神経質になったり、不安、恐怖に教われるのはこのような危機下では当たり前の事です。
何らかのサインが現れたら、あなたの心が一生懸命にストレスに対処しているのだと考えましょう。決して一人で抱え込まないでください。

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